唯脳論

日本人の脳

日本語って視覚言語だけじゃなくて聴覚言語も独特なのね*1。 少なくとも角田法を用いて虫の声などが優位脳*2で識別されているかが判別できれば、フォークト=カンプフ法*3を用いるより確実に日本人的なメンタリティを持ち得るかが判断できるってあたりが素晴…

かけがえのないもの (養老孟司)

こちらは養老孟司さんが常々語っていることのダイジェスト的なもので、「バカの壁」なんかを読むよりは、こちらのほうがお奨めです。 ――問題は「バカの壁」と違って売っているところを見たことがない、ということでしょうか。このあたりに出版社の力関係が伺…

「脳の中の過程」と「脳の見方」は同じ

まさか文庫落ちしたはずの本が新装版として再刊行されるとは思いませんでした……。いや、中を確認しないで買ったのが悪いんだけれども。 それにしてもOCRで読み取り直したのか、誤字が多いのは困りもの*1。 *1:「な」であるべきところが「た」になっていたの…

輸入CD規制法案

日本の法律とか法規は、実情よりはるかに厳しくしてあって、締めようと思えば、いつでも締められるという体制をとっています。それは管理社会の特徴なんです。 つまり、始めから現実に起こっていることは違法行為だと言っている。 ――先日の輸入CD規制法案は…

文科系と理科系の違い

理系的思考では、複雑な事実はなるべく図表化しようとしますが、文系的思考では、文章で描くことを重視するようです。理系的思考では、事実を重視しますが、文系的思考では、個人的解釈のほうに重点がおかれるようです。理系的思考では、説明がきれいにつく…

考えるヒト

「唯脳論」「カミとヒトの解剖学」「人間科学」「運のつき」と並んで養老孟司さんの著作のなかではお奨めの一冊。

「おたく」の精神史 一九八〇年代論

いつもの大塚英志氏らしく偏った固有名詞および専門用語の羅列で、どれくらいこれらの単語が理解できるかで大塚英志お友達度判定ができるんじゃないか、とか思った。 書かれている内容に目新しい視点は特に無く、大塚英志氏の語る内容は脳化(=都市化、情報…

形を読む

そこにある形から機能や構造を読み解くということが形態学らしい。なるほど、それなら僕が形態学に興味をもったり理解が深いのも納得できる。 というのは、日々でっちあげられるプレゼン資料*1に書かれている「形」から、実際に必要になるであろう機能や構造…

死の壁(養老孟司)

「バカの壁」と同じ方法で書かれたとのことですが、こちらは内容がまとまっていて良かったです。 あとがきを読むと、とりあえず著作は打ち止めっぽい。確かに書かれている内容が重複していることも多いので、そろそろ言いたいことが尽きてきたのかな、と思っ…

運のつき

養老孟司氏の生き方を読んで、なぜ自分が養老氏の論説に共感していたのかが良く理解できました。なんとなく、似たような生き方・考え方をしているんですね。知ってる人は「どこが似てるんだ?」とか言うかもしれないけれど、そう感じたのだから仕方ないです…

プラネテス

最近まとめて見たのだけれど、何がダメなのかようやく分かった。 いわゆる「途上国だから不幸せ」なんていうのは先進国(都市)の勝手な解釈で、先進国(都市)住民が「自分が幸せだ」と思うために「途上国(田舎)の住民は不幸せに違いない」と思い込んでい…

田舎者

養老孟司さんの最近の著作は都市と田舎について書かれたものが多いのですが、それらを読んでいると自分がつくづく田舎者だと感じます。 田舎にいたときは周りに比べて「都市的」だったと思うし、じっさい養老氏の定義する都市(人工)的なヒトと合致すると思…

毒にも薬にもなる話

歴史や政治、経済などを養老孟司氏の見方*1で書かれていて、理科系の僕にも大変分かりやすかったです。 ただ、この内容を他人に説明するのが非常に難しいので*2、後日あらためて読み込もうかと思ってますけれど。 *1:あるいは切り口。 *2:養老氏の本に限らず…

ベイズ理論

ベイズ理論は脳の働きを非常によくシミュレートしている、と思う。少なくとも養老孟司さんの本を読む限りでは、脳はベイズ理論と同様に動いているように見える。 ベイズ理論と脳の違いは、「自動で学習する」部分と「自動でパターン(要素)を抽出する」部分…

ヒマつぶし

ヒマとは何か。辞書を引くと 1. 仕事や義務に拘束されない時間。自由な時間。 2. 休み。休暇。 3. 夫婦・主従などの関係を絶つこと。いとま。 4. 何かをするのに必要な時間。 5. 動作や状態の絶え間。時間的な切れ目。 といったように、時間的なことを指すよ…

2ちゃんねる

養老孟司氏の著作では頻繁に「脳=都市、秩序、大人」と「身体=自然、混沌、子供」の対立について書かれている。より正確には「脳(都市)は身体(自然)を嫌っていて、存在をなくそうとしている」らしい。確かにその切り口で考えるといろいろなことを説明…

「ハイテク」に関する補足

思うに、養老氏の言うような「予測可能、統御可能」なものを脳は望んではいないのではないか。いや確かに「統御/制御可能」なものは望んでいるが、「予測可能」である必要はないのではないか。 「予測不能」の意味を「未来をあてることができないこと」とす…

ハイテク (養老孟司、カミとヒトの解剖学)

どうも養老孟司氏はハイテク化が進むことをずいぶん心配しているらしい。 ちなみに「ハイテク化」とは「予測可能、統御可能にする」ことであり「よりいっそう脳化する*1」ことだそうである。その論でいうと確かにコンピュータとその上で動くプログラムはまさ…

気紛れ映像論 (ZDNet Japan)

ここで、今回の拙文の結論をダイジェストにすると「我々の記憶はテレビによって作られているんじゃないかな?」ということなのだ。「何をバカな……」と呆れないでいただきたい。 「何をバカな……」とは思わなかったけど、「何を今更」とは思った。 ちなみにこ…

日本人とオタク

日本語は視覚言語なのだそうである。漢字と読みは1対1で対応していないし、表音文字であるはずの仮名でさえ、それが平仮名・片仮名の2種類あることによって意味を使い分けていることからも、日本語は「視覚」を重視した言語であることが分かると思う。 海…

人間とはなんだ!?IV (TBS)

専門的な話があまりなくて期待外れ。特にドキュメンタリーっぽい部分は退屈なだけだったしね。養老孟司さんのトークがもっと聞きたかったんだけど、既刊に書かれていること以下のものしか語っていなかったし。内容的には60分もあれば充分だったのでは?

オタクとマニア

『“「作画」や「設定」といった「構造」を語るのが好き”なのは(少なくとも古くは)マニアと呼ばれたのでは?』との問いがあったので「そういえばそうかな?」と思ったんだけど、オタクをマニアに置換して読むとやっぱり違う。 僕が使っている「オタク」の定…

森岡浩之

森岡浩之氏は「唯脳論」を読んでいるのであろうか。 森岡氏の言語に対するこだわりを考えると「唯脳論」を読んでいる可能性は高いと思うが、少なくとも「夢の樹が接げたなら」を執筆した当時は知らなかったのではないか。 「唯脳論」の出版が1989年であり「…

唯脳論からみた「オタク」

オタク=構造主義者 「オタク」は「構造」主義者である。いや、構造主義者の一部を「オタク」と呼んだのであろう。 なぜなら一般には「機能」が分かれば充分だからである。「構造」なんてどうでもよい。例えばラジオは「チャンネルを合わせれば音が出る」と…

ネタとしてはいろいろ使えるいい本だ

――とか、上記のように解説に対する反論を書けちゃうくらい気に入った「唯脳論」なのですが、書かれている内容の真偽云々はどうでもよかったりします。 それよりも唯脳論という切り口としていろんなモノを捉えなおすと新しい発見があったり、あるいはネタとし…

解説はいただけません

「唯脳論」の最後に澤口俊之氏の書かれた解説がありますが、あれはいただけない。 特に「拡張唯脳論」のくだりは明らかに養老孟司氏の意図するものではなく、否定しているダーウィニズムの再来になってしまうと思わなかったのだろうか。少なくとも澤口氏の述…

唯脳論

うん、面白い。今まで漠然と感じていたことが明確に説明されている点が素晴らしい。 例えば以前ピーター・ドラッカーさんの著作に「人は読んで学ぶ人と聞いて学ぶ人がいる」という趣旨の記述があって僕は経験的に「確かにそんな気がする」と思ったわけですが…

まともな人

「バカの壁」を読んだときは養老孟司さんの言いたいことがいまひとつピンとこなかったけど、こちらも読むとなんとなく分かったような気がした。ううむ、「唯脳論」を読んだほうがいいのかな。

バカの壁

独白を文章化したとのことで、内容にまとまりが無いのが残念。要点をまとめるとレジュメ数枚で済みそうだし。 会話体で読みやすいから売れてるんだとは思うけどね。 書かれている内容を自分なりにまとめ直すと、少しは身になるかも。