ネタとしてはいろいろ使えるいい本だ
――とか、上記のように解説に対する反論を書けちゃうくらい気に入った「唯脳論」なのですが、書かれている内容の真偽云々はどうでもよかったりします。
それよりも唯脳論という切り口としていろんなモノを捉えなおすと新しい発見があったり、あるいはネタとして使えるのがよいです。
例えば「鋼の錬金術師」で人語を理解するキメラの話がありましたが、「唯脳論」を知っていれば比較的簡単に錬成できるんじゃないかと思えちゃうし、あるいはテーマのひとつである「人とは何か」なんて明解だよな思えたりするし*1。
「星界の紋章」の設定は「唯脳論」に非常に合致していることも分かるし*2。
あるいは、「唯脳論」に書かれている言語の成立理由が正しいと仮定すると、文字や言葉じゃない言語を有するヒトが出てくる短編SFが書けたりしますし*3。
「視覚系=構造=離散」と「聴覚−運動系=機能=連続」の対立なんかも切り口としては大変使いやすいですし、他にもいろいろとネタが含まれているので、しばらく読み込んで吸収したいと思ってます。
それにしてもほんと、SFマインドを刺激する本だよなぁ。SF方面じゃ有名だったりするんだろうか。