「おたく」の精神史 一九八〇年代論

 いつもの大塚英志氏らしく偏った固有名詞および専門用語の羅列で、どれくらいこれらの単語が理解できるかで大塚英志お友達度判定ができるんじゃないか、とか思った。
 書かれている内容に目新しい視点は特に無く、大塚英志氏の語る内容は脳化(=都市化、情報化)という切り口で見れば単純であるとよく分かる。大塚氏の語る「団塊の世代全共闘世代)」や「オウム世代」について養老孟司氏も論じているため、それを軸に比較するのが簡単じゃないかな。
 また「1980年代」と書かれているけれど、どちらかといえば「昭和末期」と言ったほうがしっくりとくる内容だったりする。


 とはいえ、個人的には僕がなぜ編集者・大塚英志の名前を覚えていたかがなんとなく分かった*1のは収穫だったかもしれない。どうも原作者とか評論家として知っているほうが普通らしいので、なぜ僕は編集者として覚えていたのか不思議でしょうがなかったんですよ*2

*1:編集に携わっていた雑誌を相当に読んでいたっぽいし、当時から熱心に奥付とかをチェックしていた変なガキだったからなぁ。

*2:だから原作とか評論とかやっている大塚英志氏はどうにも嘘臭い気がするのです。原作とか評論をやっていると知ったときはびっくりしたくらいだし。