(書き直した→http://asakura.at.webry.info/200605/article_4.html)
『NANA』のアニメが707円(税込み)という話を見かけて「へー」と思ったのですが、1話収録だし期間限定とのこと。うーん、つまらない。
ところで記事中に
もともと一般DVDソフトに対するアニメDVDの高価格は、熱心なファンを当てにする高値維持との批判も大きい。
とあるわけですが、一般DVDソフトが安いっていうのは気のせいだと思うし*1、実際に安いとすれば
- ハリウッド映画等は既に原価(制作費)を回収しているので安くできる
- TVドラマはほとんどが広告費を元に制作しているので、既に原価を回収しているとみなせる(少なくとも広告費分は安く販売できる)
からでしょう。だからアニメでも玩具メーカーなどから広告費が出ている作品のDVDはそれなりに安い価格(950円/1話)で販売されていますしね。
アニメDVDの1話単価を見てみると、だいたい玩具メーカーなどがスポンサーになっていて1年以上放映しているのが1,000円前後、スポンサーが主に販売会社なのが1,800円〜2,500円くらいになっていて、大きく外れることはないわけです。
『NANA』も通常価格は1,800円らしいですし、たぶん2巻以降はここから大きく外れた価格じゃないんじゃないかな*2。
で、その1話の制作費は1,000万〜1,500万円前後が相場、との噂です。つまり2,000円/1話で売ったとして5,000〜7,500本売れないと元はとれません。制作費以外にかかるお金を考えるともうちょっと本数が出ないと回収できませんし、卸値を考えるならもっと沢山本数が出る必要があります*3。そう考えると基本的には1〜2万本くらい出るのを想定して、原作付きで人気があるなら多めに、オリジナルなら少なめに本数を見積もっているんじゃないのかな、という感じがしますね。
そんな訳で、別に好き好んで高い値段を付けているわけじゃないと思うんですね。採算を考えるとだいたいあれくらいの価格になる、というだけで。
それに「アニメが高い」と思われているのは販売単価のせいじゃなくて、全部揃えると3万〜5万円くらいになるからだと思います。
例えばマイメロの1話単価は700円でとても安いわけですが、それでも全13巻(52話)を買うと36,400円(+消費税)になるわけです。普通の1年ものなら49,400円(+消費税)です。1クールものや2クールものは話数は減るけど単価が上がるから、やっぱり同じくらいの価格になります。
消耗品的なソフトウェアでこれだけの価格になるってのは、そんなにはないでしょ?
でも制作費を考えるとセットで3万円を切る価格に設定するのは難しいと思うわけです。セットで3万円を切れば――例えば「24」は24,000円で、「ER」は15,000円らしいのでそれくらいにすれば本数はもっと出る可能性もあるかもしれません。ただその場合は現状の2倍以上の本数が出る必要があるわけですが、そんなに本数が出るのかちょっと疑問です*4。
あるいはすでに回収が終わっている(はずの)作品の再販売の価格が安くないのは問題なのかもしれません。本数が出ないからとかいろいろ理由はあるかもしれませんが、だからといって例えばナデシコのBOXが43,000円(+消費税)ってのはちょっと高すぎると思うし*5。
旧作の販売のおかげで潤っている所が多いわけですが、そのおかげで新作にお金が廻っていると考えるしかないんでしょうかね。