マリア様がみてる 〜 大きな扉 小さな鍵

 今回は久々によかった。思わずすぐに読み返してしまったくらい(笑)。
 あの設定については正直「どうよ?」とか思いますが、それを差し引いても面白かった。マリみてに求めていたのはこういうお話なのだなぁと、しみじみと思いましたとさ。


 ところで、読み終わる前――というか、読み始めて数ページで「あ、今回は祐巳ちゃん視点なしかな?」とか思って、祥子さま視点のところで確信して、あとがきを読んで「やっぱり狙ってたのかー」と思ったのですが、なんで読んだ瞬間に「今回は祐巳ちゃん視点はなしなのか」と思ったのか、不思議でしょうがなかったんですよ。だからすぐに読み返してみたんですけど。
 改めて読むと、祐巳ちゃんが乃梨子ちゃんに対して突き放した感じというか距離がある感じになっていて*1、「今回は祐巳ちゃんの内面には踏み込まないよ!」と主張しているように感じたのかもしれません。


 それはさておき、今回のメインは紅薔薇ファミリーの一員となった(とか書くと誤解が生じるかな)瞳子なのでしょうけれど、それよりも乃梨子がよかった。ほんとよかった。
 白薔薇ファミリーについては(由乃さんも言ってるように)波乱がないおかげでツマラナイのだけれど、今回は乃梨子ちゃんらしさ全開ブリバリブッチギリでナイスでした。おかげで志摩子さんの影がますます薄くなってるのがあれですが(笑)。


 最近は惰性で読んでる感があったのですが、久々に次巻が楽しみです。是非とも年内に続きを読みたいのですが、年内は無理かなぁ。

*1:普段は祐巳ちゃん以外の視点でも祐巳ちゃんは存在を主張してる――まあ、主人公ですからね――のに、今回は意図的に存在感を無くしてる感じがします。