『バスカッシュ!』がつまんないのは何故だろうとずっと考えていたんだけど、「神山健治の映画は撮ったことがない」に理由が書かれてた。

 『バスカッシュ!』はスタッフを見た時に大変期待をしていたのだけれど、作画以外はさっぱりダメダメだったんで「なんでかなー?」としばらく考えていたのですが、一部で話題の「神山健治の映画は撮ったことがない」を読んだらいきなり最初に「あ、これだ」ってことがサックリと書かれてましたよ。

(略)面白い(と感じる)映画は疑問と答えが絶妙なタイミングで提供されてくるという事実だった。(略)

...

(略)5分たっても映画の向かう先と落とし所(物語がどこへ向かうのかという疑問とラストへの暗示という答え)が提示されない映画は、最後まで見ていてもたいてい糞映画であることがわかってきたのだ。


(『神山健治の映画は撮ったことがない』、pp.005-006「疑問と答えの連鎖」)

 そうなのだ。『バスカッシュ!』は疑問があってもそれに対する答えを全然見せてくれないのだ。思わせぶりなカットはいくつかちりばめられてはいるけれど、単にそれだけ。
 それがなんなのか、今後にどう繋がるのかを全然見せないってことが続いてしまっているため、もはや何か新しい疑問が出てきても「はいはい、それで?」的に冷めちゃってしまってるんですよ。どーせ見ててもそれが何かなんて出てこないから。


 ついでに同書には「ヒロインの白痴化」って話があったりするけど、『バスカッシュ!』は主人公が白痴だしねぇ(いや、ひょっとするとほとんどのキャラが白痴かも)。


 ――というわけで、「神山健治の映画は撮ったことがない」を読んでいると『バスカッシュ!』のダメな点が次々と分かって、読んでて楽しいです。

そういえば

 僕も前に「面白さ」って「続きが気になる」ってことじゃないのかな。なんて考えてたなぁ。
 それを具体的にすると「疑問と答えの連鎖」ってことになるんでしょう。フリがあるだけじゃなくて、フリに対して的確なタイミングでオチがないとダメだってのは勉強になった。