相変わらず板垣監督が飛ばしているおかげで勉強になります。

 板垣伸監督がラノベ原作をやらなかった話を読んで、まあやっぱり「どの作品?」ってのは気になるところですが、それ以上に気になったのがプロデューサーの語った

この原作はこの“ユルさ”のおかげで6〜7万部売れてるんです。つまりこの絵でこの原作に忠実にアニメ化すればDVDは5〜6千本は堅いんです。

――の部分。これはつまり、ラノベ原作なら原作1巻あたりの部数に対して7%〜9%のDVDが売れると見込んでいる、ってことだ。
 これには非常にびっくりした。意外に売れてるんですね。
 漫画原作だとこんなには売れなくて、多く見積もっても5%くらいじゃないのかな。そのぶん漫画は原作で売れてるわけだけどさ。
 例えば「ハヤテのごとく!」の原作は1巻あたり30万部以上売れてたと思うんだけど、DVDは1万本前後くらいだったはず。「ハヤテ」のアニメはそれなりに成績がよかったほうだと思うのだけれど*1、それでも原作に対して3%くらいなわけで。
 なるほど、それならライトノベルを積極的にアニメ化するわけだ、と思いました。


 ここで当然「ラノベファンはなんでアニメを買うのか」が気になるわけですが、うーん、やっぱり「絵があるから」なんでしょうかね。漫画との差は主にそこだと思うので。
 「絵が見たい」という欲求が強いから、ラノベ原作ファンはアニメ(ないしコミカライズ)を買う。逆に既に「絵になっている」漫画のファンはアニメを手に入れようという欲求は減る。もちろん「カラーである」「声がついている」というブラスアルファはあるけれど、「絵」に比べると欲求は弱いわけだ。
(裏を返すと、アニメ原作でノベライズ・コミカライズはあまり売れない予感。コミカライズなら「安価で絵が入手できる」というメリットがあるから、DVDの代替としては多少売れるのかもしれないけど)
 ――あるいは「絵を見たい」という欲求はとてつもなく強いんでしょう。そう考えるとラノベでイラストが重要視されてるのは合理的なんだなあ。

*1:印象としては「かなりよかった」気もするけど、ちゃんと調べてないので。1年シリーズが1万本/巻ならいいほうでしょう。