宇宙のステルヴィア 完全ビジュアルブック

 せっかく各スタッフのインタビューが載っているのに、非常に読みにくいのは残念。
 値段の割にボリュームが少ないのもイマイチだけど、最近はこんなものなのでしょうか? デジタル化してTVの素材が使えないのは仕方がないと思うけど、あの判型ページ数ならもうちょっと安くてもいいんでは?


 以下、佐藤竜雄監督のインタビューで気になった点のメモ。

 本当はもっと少女漫画的にしたかったんだけどね。スタッフの人選の時点で無理だとわかりました(笑)。

 少女漫画をやりたかった、というのはなんとなく分かります。ラブコメだと感じたのはそれゆえだと思うし、キスシーンのくだりも少女漫画なら必然だしね。

 あまり媚びた芝居をしないようにしましょう、と。これは一番気を使いました。もっとも、ほとんど達成できていませんが。

 この部分については「学園戦記ムリョウ」ではうまくいっていたと思うんですけどね。もっとも、媚びを抑えようとしつつ、それでも媚びが出てきたくらいだったから、嫌味にならず良かったのかもしれません。本当に媚びがなかったら売れなかった可能性もありますし*1

 割とライトな感じの作品だったので、十代中盤の視聴者が多かったようで、そういう意見がけっこうありました。

 あ、ちゃんと若い人も観ていたのね。ちょっと気になってたもので。

 『ハリー・ポッター』もそうですけど、みんな選ばれた子ばかりなんですよ。普通ならアウトローめいたヤツがひとりふたりいたり、視聴者が共感できるような対象をひとりは作るんです。

 アウトローがいなくて正解だったと思います。逆にアウトローがいたら「プラネテス」のように違和感を感じたと思うし。
 そもそも「アウトローに視聴者が共感する」のは「ロー=法」という「上位のもの」に対する不満だろうから、上位のものに対して不満を感じないであろう理想的な状況のステルヴィアではアウトローに共感できなかったと思うしね*2


 ざっと読んだ印象では、後半駄目だと思っていた部分は「きちんと最後まで構成していなくて、その場で作っていた」からだったみたいですね。大月Pの横やりが多かった雰囲気もあるけど、それは言い訳にならないしなぁ*3

*1:結果論ですけどね。ムリョウはそのせいで売れなかった気もするし。

*2:だからムリョウにもアウトローがいないんだろうしね。

*3:でも各種インタビューを読んでると、大月Pの方向性と佐藤監督の方向性がまるで違っているのはよく分かります。