辻田邦夫インタビュー(アニメージュ2003年11月号)

 色彩設計の方にインタビューしてくれるとは、さすが小黒さん*1

 僕が辻田さんに初めて注目したのは「劇場版美少女戦士セーラームーンR」の時でした。とにかく配色が綺麗で「セラムンで色を塗るならこれを参考にしよう」と思ったものでした*2。特に印象的だったのは一ノ橋公園でうさぎを励ます夜のシーンかな。
 シーンによって配色が違うのは「劇場版は色が沢山使えていいねぇ」という感想だったのですけどね。そういうことをしてる作品って、本当はあまりないそうで。


 次に注目したのが「夢のクレヨン王国」の時で*3、その「デジタルらしくない」配色と「デジタルだからできる」配色に感心した記憶があります。
 当時はデジタル彩色に移行する初期の頃だったので、やたらぎらついた配色が目に付いていたのですが、夢クレの配色はそんな感じがしなくて「これならデジタルでも良いかも」と思ったものです。逆に「デジタルのほうが良いかも」と思ったのが夢クレの黒い街の話の時で、あれはたぶんセルカラーじゃ絶対に実現できなかったんじゃないかと思います。


 ちなみにインタビューで「肌色に元気がない」とありましたが、確かにそう思います。最近はデジタルっぽさを押さえるためかあるいはそれが格好いいと勘違いしているのか分かりませんが、やたらと彩度を押さえた配色が多いです。デジタルっぽいぎらつきを抑えるには彩度を押さえるのが簡単なんだろうけど、それじゃあセルカラーの発色の良さに負けちゃうんだよね。

*1:アニメ誌で取り上げて欲しいと思ったのは3年以上前ですけれど。

*2:当時はサークルで色指定みたいなことをしていたので。

*3:なぜかインタビューでは全く触れられていなかったけど。